「食べてすぐ横になると牛になる」の医学的真相が判明!
■食べてすぐ横になるのは実は健康によい!
「食べてすぐ横になったら牛になる」という言い伝えに医学上の根拠はあるのか? 同書では以下のように述べられています。
<ウシになると言われるようになったのは、行儀の悪さをいましめるためです。ですから、ホントにウシになるということはありません。
それどころか、医学的に考えると、食べたあと横になるのは、むしろおすすめ。>
なんと“食べてすぐ横になる”のは、単に行儀が悪いというだけで、健康上はむしろ好ましいそう。そのメカニズムは以下の通りです。
まず、食後は、食べ物を消化するために胃腸周辺に血液が集中します。満腹になると眠くなるのも、頭に血があまり行かなくなるためです。
ところが、食後むやみに身体を動かすと、血液が筋肉のほうに回ってしまい、胃腸への血のめぐりが悪くなってしまいます。これでは食べ物を十分に消化できません。
つまり、食べ物をちゃんと消化するためには、食後はゴロンと横になって胃腸のはたらきを助けるのがいいということ。
ちなみに、“親が死んでも食(じき)やすみ”ということわざまであります。もし、今度、お母さんから「食べてすぐ横になったら牛になるよ!」と怒られたら、「親が死んでも食やすみだよ!」と言い返す……のはさすがにやめたほうがいいと思いますが、とにかく食後の一服はそれだけ大事ということです。
■横になってもいいけど寝るのはNG
消化のことを考えると、食べてすぐ横になって身体を休めるのはいいのですが、夜遅くに食事して、そのあとすぐに寝るというのはよくありません。深夜の食事の直後に眠るのは肥満のもとです。
そのカギを握るのは、BMAL1(ビーマルワン)という体内時計を調整するたんぱく質。BMALL1は、量が多いと脂肪を蓄積するはたらきをするのですが、起きてから18時間ほどで量がピークになります。
規則正しい生活をしている人なら、午後3時くらいがもっとも量が少なく、その後、夜間にどんどん増加して深夜2時ころにピークを迎えるとのこと。つまり、夜遅い時間に食事するほど、脂肪を蓄積するリスクが高まってしまいます。
食べたものをなるべく脂肪に変えたくなければ、就寝時間の3時間前までに夕食を済ませるのがオススメです。